IBM Control Deskを活用し構成管理・インシデント管理システムを構築
株式会社エクシング様【導入事例】
IT資産・構成統合管理ソリューション IBM Control Desk(ICD)
IBM Control Deskを活用し構成管理・インシデント管理システムを構築
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ブラザー工業株式会社、株式会社インテック、ブラザー販売株式会社の3社が、マルチメディアネットワークカラオケ「JOYSOUND」の企画・開発にあたる事業会社として1992年5月に設立。同年10月に楽曲数3,100曲を搭載した通信カラオケ・コマンダ「JS-1」を発売し、業務用カラオケ事業の第1歩を踏み出した。現在では、カラオケ店舗や飲食店舗の全国展開、音楽配信や歌詞表示サービス、カラオケコンテンツ、ギター演奏支援などモバイルコンテンツの企画・制作・提供、家庭で楽しめるカラオケコンテンツの配信・企画・運営など、音楽エンタテインメント分野で多様なサービスを展開している。 |
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業務用カラオケ事業を中心に、店舗事業、モバイル・エンタテイメント事業、ホーム・エンタテイメント事業など、音楽エンタテインメント領域の幅広いビジネスを展開する株式会社エクシング(以下、エクシング)は、複雑化の一途をたどるシステム運用管理に関する課題を抜本的に解決すべく、ITIL(※)に着目。
IBM Control Deskを共通基盤として構成管理・インシデント管理システムを構築し、ハードウェア機器やソフトウェア・ライセンスの有効活用、運用管理業務の効率化を実現しました。
※ITIL(Information Technology Infrastructure Library):ITサービス・マネジメントに関する業務プロセスや手法を体系化したフレームワーク。1980年代後半に英国政府機関によって作成され、現在ではシステム運用に関する規則や業務手順などを設定・見直しする際のガイドラインとして活用されている。
背景と狙い
運用管理業務のベスト・プラクティスに学び構成管理やインシデント管理を実践していく
1992年に画期的なB2B向けの通信カラオケ「JOYSOUND」をリリースし、音楽エンタテイメント業界に参入したエクシングは、それまでのパッケージ主体のカラオケの常識を打破し、新たなマーケットの拡大をリードしてきました。
その後も、着メロなど携帯電話向けサービス、歌を通じて人と人とがつながるカラオケ・ソーシャルメディア「うたスキ」サービス、さらに本格的な家庭用カラオケサービスなども手がけ、B2Cの領域でも存在感を発揮しています。
こうした同社のビジネスの革新と成長を支えているのがITシステムです。しかし、事業が拡大していく中で、次第にその運用管理に関する問題が浮上してきました。最初の大きな節目となったのが、「UGA」ブランドで通信カラオケ事業を展開していた株式会社BMBとの合併(2010年1月)です。エクシング システム統括部の部長を務める内藤芳信氏は、「それぞれ別会社で活動していたシステム運用管理の組織や業務を整理・統合し、新しい体制を構築する必要がありました」と話します。
それに加えて、システムの大規模化と複雑化にまつわる問題が顕在化してきました。
「事業の多角化に伴うサービスの多様化、仮想化の導入などによって管理対象のサーバーは数百台規模に膨らんでおり、それまでのMicrosoft Excelの台帳による個別管理は限界に達していました。途中からタスク管理ツールも導入したのですが、これもパッチワーク的なものにすぎず、全社統一的な管理には程遠い状況です。資産の隅々にまで目が行き届いていないのが実情でした」と内藤氏は振り返ります。
そして、「現状のシステム運用管理は、もはや限界を迎えている」と判断した同社が着目したのがITILです。「世の中でシステム運用管理業務のベスト・プラクティスと呼ばれている手法を学び、それを手本とした構成管理やインシデント管理を実践することで、抜本的な課題解決を図りたいと考えました」と内藤氏は話します。
ソリューション
エクサのサポート力が決め手となりIBM Control Deskの導入を決定
ITIL準拠をうたった構成・インシデント管理ツールは数多くあり、エクシングは事前調査から3社の製品に候補を絞り込んで比較検討を行いました。その結果、2013年11月に導入を決定したのが、IBMとエクサが提案したIBM Control Deskです。
エクシング システム基盤Gのグループ長を務める今井利彦氏は、「ITILをベースにするといっても、その教本に具体的な方法が書かれているわけではなく、資産をどのように可視化するのか、あるいは運用管理の各プロセスをどのような操作体系で実装するのかなど、自分たちの業務にあわせたカスタマイズが必須です。その課題に向けてエクサは、単にツールを提供するだけでなく、我々と一緒になって運用管理の課題を解決していくビジネス・パートナーとしての熱い意気込みと前向きな姿勢を示してくれたのです」と話します。
こうしてタッグを組んだエクシングとエクサは、プロジェクトにあたり次のような目標を立てました。
構成管理については、“データセンター設備やIPアドレスなどの情報管理を容易かつ正確に行うことで、機器やライセンスの有効活用および人的運用負荷の軽減、安定したサービス提供を実現する”。インシデント管理については、“監視イベントの自動登録、乱立する管理ツールの一元化を行うことにより、業務の効率化/情報の集約を可能とし、監視ベンダーと円滑な運用を実現する仕組みを確立する”というものです。
そして、この取り組みを支える共通プラットフォームとなるIBM Control Deskの操作性について、「エクサは、実機でのデモンストレーション環境をつくってくれました。このデモンストレーションを通じて、入力項目や画面デザインなども自由自在にカスタマイズできることが理解でき、これなら私たちの“望み”を余すことなく実装できると確信しました」と今井氏は高く評価しています。

導入効果
![]() 株式会社エクシング ![]() 株式会社エクシング |
2段階のフェーズでプロジェクトを推進、ナレッジ共有で運用管理業務の効率化と品質向上を実現 2014年1月にエクシングにおける構成管理・インシデント管理システム構築プロジェクトはキックオフし、まず同年1月から3月にかけて実施したフェーズ1で先行的に実装したのは、サーバーやストレージ、ネットワーク機器など、ハードウェアの構成管理です。 |
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今後の展開
実践を通じて評価を重ねながら中長期的な発展の方向を探る ITILベースの運用管理のさらなる定着を図っていくことを、エクシングは今後に向けた最優先の課題としています。たとえば、インシデント管理を通じて蓄積した情報を適切な形でフィードバックし、各部門の業務改善に役立てていこうとしています。 |
![]() 左から内藤氏、今井氏 |
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「中長期的な視点から今回整備した構成管理やインシデント管理の実践に臨み、課題をしっかり洗い出しながら評価を重ね、今後の方向性をじっくり見定めていく必要があります。その意味でもエクサには、ビジネス・パートナーとして、今後もツールレベルにとどまらない、より上流の視点からの提案やサポートを期待しています」と内藤氏は話します。 |
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